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朝倉涼子のグサデレ ~夏休み・ハイキング編~ 第1話 キョン「朝倉、話がある」 朝倉「なに?」 キョン「今年の夏、俺たちは花火、プールと夏の風物詩を楽しんだ」 朝倉「?…そうね」 キョン「だが俺は気づいた、まだ山に行ってないことに!」 朝倉「それで?」 キョン「そこで提案する。明日はハイキングに行くってのはどうだ?良い考えだろ?夏らしいだろ?行きたいと思うだろ?……よし決定だ。明日の朝いつもの場所に集合な。じゃあ今日は解散ということで……」 朝倉「あたしの意見も聞かずに何言ってるの?わかってるのかしら、もしあたしが今行きたくないって言ったらあなたは一人で行かなきゃならないのよ?それなのに勝手に決めちゃって……何様?ということで、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwじゃ中止の方向でwww」 朝倉「また一人で決めて……行くに決まってるじゃない♪」 キョン「(素直じゃないとこがまた朝倉らしいぜ…はぁはぁ)グフッ」 第2話 キョン「動きやすい格好、弁当、水筒、そしておやつは300円以内。天気も今日は快晴だと言っていたし、ハイキングには最適だな」 朝倉「おやつが気になるけど……とりあえず準備は万端ね」 キョン「ちなみに登る山の大きさは初心者レベル。道も歩きやすいようになっている。途中で険しい場所もあるようだが道案内を見れば大丈夫のようだ」 朝倉「じゃあ安心ね。行きましょうか♪」 キョン「山は雄大だな……」 朝倉「思わず自然のすばらしさを実感するわね」 キョン「ヤッホー!!」 朝倉「いきなり何!?」 キョン「すまん、自然に帰ったと思うとつい叫んでしまった」 朝倉「ふふ、まるで猿みたいね♪」 キョン「猿がうらやましいよ、自由に自然を生きられるんだからな」 朝倉「あら、人間以下のキョン君なら猿みたいな生活を送ってるんだと思ってたわ」 キョン「ヒドスww」 朝倉「そんなに自然と一緒になりたいならしてあげるわ。土に帰りなさい、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww自然回帰www」 朝倉「でも、キョン君なんて土も拒んじゃうわよね」 キョン「(将来は朝倉と一緒に土の中で…はぁはぁ)グフッ」 第3話 キョン「よし!あとちょっとだ」 朝倉「じゃあ一緒に♪」 キョン「せぇーの!」 キョン・朝倉「「とぉ~ちゃ~く!!」」 朝倉「ふぅ!ここが頂上ね。やっぱり高いわね」 キョン「下があんなに小さく見えるな」 朝倉「まるでゴミのようね」 キョン「そのセリフはww」 朝倉「じゃあ早速お昼にしましょうか」 キョン「大自然で食う飯は格別だろうな」 朝倉「今日は全部あたしの手作りよ♪」 キョン「すばらしい…生きてて良かった、うぅ」 朝倉「大げさなんだから。はい、どうぞ♪たくさん食べてね♪」 キョン「じゃあ、」 キョン・朝倉「「いただきま~す」」 キョン「うまい!こっちはどうだ?(パクッ)…うっ、のどに……つ、つまった…み、ず……」 朝倉「大丈夫!?はい、水筒よ」 キョン「(ゴクッゴクッ)熱ッッ!!そして、しょっぱ!!なんだこれ!?水じゃないのか?」 朝倉「え?おでんのつゆだけど?」 キョン「濃いだろ!」 朝倉「栄養満点でしょ?それにこの自然の中で飲む一杯は格別だと思って。もしかして嫌い?」 キョン「嫌いとかではなくだn」 朝倉「あらそう、あたしはそういうキョン君が不愉快ね。あなたのせいで山の景観が損なわれるわ、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww俺廃棄物www」 朝倉「ゴミくずね」 キョン「(野外で朝倉に蔑まれてる…はぁはぁ)グフッ」 第4話 キョン「うまい飯も食ったし…さて、そろそろ下りるか」 朝倉「きれいな景色も見れたしね♪」 キョン「霧か……」 朝倉「変ね、さっきまであんなに晴れてたのに」 キョン「山の天気は変わりやすいとは聞いていたがここまで変わるもんだとはな」 朝倉「慎重に行きましょ」 キョン「遭難したなんてことになったら洒落にならんからな」 ――――― 朝倉「ねぇ、こんなとこ通ったかしら……?」 キョン「確かに…さっきから看板も見えないしな」 朝倉「戻りましょうよ」 キョン「そうだな」 ――――― 朝倉「……」 キョン「……」 朝倉「あら?」 キョン「どうした?」 朝倉「ううん……その、気のせいだと思うんだけど…ここ、さっきも通らなかった?」 キョン「まさか。そんなわけないだろ」 朝倉「だってあの木さっき見たもの。あの形は忘れないわ」 キョン「そんなバカな」 朝倉「ねぇ、言いたくないけどまさかあたし達……」 キョン「……迷った?」 朝倉「……」 キョン「……」 朝倉「お、落ち着きましょう。あせっても何も良いことはないわ。冷静を保ちましょう。とりあえず、深呼吸して、スゥーハァー…平常心平常心……次にこれで、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww落ち着けwww」 朝倉「大丈夫。あたしはいつも冷静よ……こんなことじゃ動揺しないわ」 キョン「(朝倉と二人っきり…はぁはぁ)グフッ」 第5話 キョン「さてここからどう動くかが重要になる」 朝倉「(コクン)」 キョン「当然の事ながら携帯は繋がらない。発煙筒などの類ももちろんない。つまり俺たちには誰かにこの状況を伝える手段がない。よってこの状況を自分たちで打開するしかないということだ」 朝倉「でもやたらと動くのも危険じゃない?」 キョン「そのとおり。黙ってここでじっとしているのが一番いいのさ。辛抱強く助けを待っていようぜ」 朝倉「あたしたち助かるかしら」 キョン「当たり前だろ。必ず二人で生きて帰ろうぜ」 朝倉「そうね(キョン君が頼もしく見える……それにドキドキする、どうして?)」 キョン「朝倉、顔が赤いぞ。どうした?熱でもあるのか?」(ピタッ) 朝倉「ッ!?(ビクッ)」 キョン「わぁ!ス、スマン…急に触ったりしたら驚くよな…」 朝倉「あ…そんなんじゃなくて……」 キョン「?」 朝倉「ねぇ、、、キョン君の隣に座っていい?」 キョン「別にいいぞ?」 朝倉「……(ピトッ)」 キョン「!?…朝倉?ち、近くないか?腕なんかく、組んできたりして、どうしたんだよ?」 朝倉「こうしていたいの(ボソッ)」 キョン「そ、そうか。朝倉がそれで落ち着くなら…」 朝倉「(ドキドキがとまらない。どうしたのあたし。…あれ…?別の場所からもドキドキが聞こえる。どこかしら?……あっ、そうか、この音はキョン君のドキドキね。おかしいの。二人でドキドキしてるなんて。ふふ♪)ふふ♪」 キョン「笑ったりしてどうしたんだ?」 朝倉「なんでもないわ♪ふふ」 キョン「そうか……あ、すまん。俺トイレ」 朝倉「え?」 キョン「なんか冷えるから近くってなww」 朝倉「……」 キョン「ちょっとあっちの茂みでしてくるよ!小さいほうだから安心してくれwww」 朝倉「……(ゴゴゴゴゴ……)」 キョン「どうした?おい離してくれよ。行けないだろ?」 朝倉「行く必要なんかないわ……」 キョン「へ?」 朝倉「だって、あなたはここで死ぬんだもの……じゃ死んで♪」 キョン「ちょww漏れるwww」 朝倉「あなたの空気の壊しようには呆れるわ」 キョン「(なんで怒るんだ?ハッ!?もしかして朝倉もトイレに行きたかったのか。朝倉のトイレ…はぁはぁ)グフッ」 第6話 キョン「悪いな。急にトイレなんか行ってw」 朝倉「……」 キョン「怒るなよ。次は朝倉が行っていいからさw」 朝倉「?」 キョン「どうした?急にキョロキョロしたりして」 朝倉「何か聞こえない?」 キョン「何か?……いや」 朝倉「確かに今聞こえたわ。ガサガサって音がしたもの」 キョン「まさか救助が来たのか!?」 朝倉「だと良いんだけど」 (ガサガサ) キョン・朝倉「「!?」」 朝倉「今のは聞こえたでしょ?」 キョン「あぁ……音が近いな」 朝倉「人かしら?」 キョン「おぉ~い……救助の人ですか~?そうなら返事してくださ~い……」 (ガサガサ…ガサガサ……) 熊「グァアァアア!!!!」 キョン・朝倉「!!??ギャアアア!!!」 キョン「逃げるぞ!!」 朝倉「えぇ!」 キョン「走れ!!」 熊「グォォオォォ!!」 キョン「やばい!ついて来やがった!!」 朝倉「捕まったら食べられるわ!もっと早く走って!」 キョン「なんか武器はないのか!?」 朝倉「下手に威嚇したら余計危ないわ!」 キョン「しかs(ガンッ)…痛!?なんか当たった!ん?これは、、蜂の……巣?」 朝倉「早く捨てて!蜂まで追いかけて来るじゃない!」 キョン「もう遅いぜ……」 蜂「(ブゥーン……)」 朝倉「キャー!!なんてことしてくれたの!?」 キョン「そ、そんなこと言ったっt(ギュム)……今なんか踏んだ」 朝倉「また!?」 狼「ガルルルル……」 キョン「今度は狼ぃい!!!」 朝倉「なんで敵を増やすのよ!!」 キョン「不可抗力だ」 熊「グオォォ!!」 蜂「(ブゥーン…)) 狼「ガゥゥウ!!」 朝倉「あぁもうっ!こうなったのもキョン君のせいよ!?」 キョン「何ッ!俺のせいだぁ!?」 朝倉「そうよ!いつもいつもあたしに迷惑かけて!今回だってキョン君がハイキングに行くなんて言わなかったらこんなことにはならなかったわ!!」 キョン「自分だって行きたいって言ったじゃねぇか!」 朝倉「うっ……そ、それはそれよ!つまり元凶はキョン君!それさえ断てばすべてうまくいくの!!だから、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwあいつら無視www」 朝倉「なぁに?(キッ)」 熊「!?……キュ~ンキュ~ン…」 蜂「!?(ビューン!)」 狼「!?……キャインキャイン!!」 キョン「(一睨みで一目散に。さすが朝倉の目力だぜ。あぁあの目で睨まれたい…はぁはぁ)グフッ」 第7話 朝倉「走り回ったせいで今どこにいるかわからなくなったじゃない」 キョン「しかもさっきよりも暗いしな。さらに奥に来ちまったのかもしれん」 朝倉「もうあたしたち助からないのかしら……」 キョン「あきらめんなよ。必ず二人で助かるって言っただろ?」 朝倉「……えぇ」 キョン「元気出せよ。ほら、これでも食え」 朝倉「チョコ?」 キョン「はは、ちょっと溶けちまったがな。疲れたときには甘いものが一番だ」 朝倉「ありがと。(パクッ)……おいしいわ、キョン君」 キョン「そうか……ん?」 朝倉「どうしたの?」 キョン「いや、どこからかいい匂いが、(クンクン)」 朝倉「匂い?(クンクン)ハッ!?これはまさか!!(ダッ)」 キョン「おい!いきなり走り出したりしてどうしたんだよ!!」 朝倉「この匂いは…この匂いは……」 キョン「お~い!待ってくれ~」 朝倉「(ガサガサ)」 キョン「(ガサガサ)こんなとこ通って大丈夫か?」 朝倉「……」 キョン「やれやれ、ん?あれは光…まさか人のうちか!?」 朝倉「ふふふ、違うわ。あれは……」 キョン「あれは?」 朝倉「おでんの屋台よ!このあたしが言うんですもの、間違うわけがないわ」 キョン「その自信はどこから……なッ!?本当におでん屋だった!!」 朝倉「おじさん適当に見繕ってね♪」 キョン「なんというオチだろうか」 朝倉「ん~おいし♪」 ――――― キョン「俺たちは無事山を下りることができた。朝倉のおかげでな。だが出た場所は一つ隣の町だった。つまり必死で逃げ回ったせいで山一つ分を越えてしまったのだ。こうして俺たちのハイキングは終わった……俺と朝倉は危険を乗り越えることでまた一つお互いの愛を育んだのだ―――」 朝倉「勝手に何言ってるの?独り言なんて気持ち悪いったらないわ。だいたい愛とか言っちゃって恥ずかしいって言葉知らないのかしら?そんな恥知らずはこうしてあげる、 じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwおでん食って終わりとかwww」 朝倉「いい運動したあとはおいしいもの食べるに限るわね♪」 キョン「(俺たちの夏はまだ終わらない…はぁはぁ)グフッ」 ~夏休み・ハイキング編~完 おまけ 第8話 キョン「じゃあハイキングに行くか」 朝倉「そうね♪」 朝倉「……」 キョン「どうした?食わないのか?(パクパク)」 朝倉「ねぇ、これって?」 キョン「え?バイキングだが何か?」 朝倉「そんなベタなオチ期待してないの。こんなオチじゃ芸人になれないわよ? そんな無価値な人は処刑ね、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww俺の将来芸人www」 朝倉「あなたみたいな人が芸人になったら失礼よ」 キョン「(なんにしても将来は朝倉と二人で…はぁはぁ)グフッ」
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※夏休みだから三本立て それぞれ風味がバラバラです。三本目は愛で成分多いです ※パロディです悪意なんてありませんごめんなさい 1、元祖 全身に泥を被った男性が突然、職場に駆け込んできた。 「ちょっとこれ! これ配送ミスですよね!? こんなんじゃ仕事にならないですよ! どうするんですか!?」 自動ドアを破らんばかりの勢いに、開口一番の罵声。腰が抜けるかというほど 驚いたのだが、彼の名前と職務を思い出し、私は事の重大さを認識した。 私の職場、クール便配送センターがにわかに活気づき、慌ただしくなる。一刻も早く、 膨大な量の貨物から“あれ”を探し出さなくては。職員の間を指示と報告が飛び交う。 とはいえ私はただの受付係なので、ここに立っていることしかできない。いや、 ここに立っていなくてはならない。…彼のために。 「自分で言うのもなんですけどね、治安に直結してますから、僕の仕事。 こういうの困りますよ」 彼はカウンターによりかかり、私の前に“それ”を置いた。間違えて渡された “それ”では、確かに仕事にならないだろう。命さえ危ういかもしれない。 ため息をつくその姿からは、重い疲労が滲み出ている。 よく見ると服のあちこちが破けていた。彼の体は傷だらけだった。 「まあ、うっかりこれで出てしまったのは僕ですけどね…はは…」 私は何も言えなかった。 気まずい沈黙の後、奥から彼の荷物が運ばれてきた。ひたすら頭を下げる所長を前に、 彼はバリバリと乱暴に包みを開いた。 「こちらこそすみませんでした! ともかく急いでるんで、現場戻らないと! まあ今度飲みにでも行きましょう!」 先ほどまでとは一転、明るい声と笑顔。彼の首の上で輝く、それは。 「元気、100倍!」 彼は本来の頭を接続すると、マントをなびかせて空高く飛んで行った。 私たちのヒーローはいわゆる単身赴任。だが故郷で作られた本物のパンでないと 力が出ないのだそうだ。今回の配送ミス、責任は誰がどう取るのやら。 そりゃあ、濡れたら力が出ないし、中身が餡子だけれど。 「…気付けよなあ、いくらなんでも」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛…」 後には傷だらけのゆっくりれいむが残された。 ※ ※ ※ 2、帰ってこないウルトラみょん 幾何学模様を乱された海岸線。おもちゃのブロックのように蹴散らされたコンテナ。 薙ぎ倒された何本ものクレーン。転覆した貨物船。石油化学製品の黒煙が刺激臭を 放ち、辺り一面を覆う。 ここは太平洋に面した貨物港。その只中に青白い未知の巨獣が屍を晒し、 ペンキのように青く濁った血を流していた。そして長い影を落とす白銀の柱と、 歪んだ黒い塊―――ウルトラみょんの成れの果て。 突如として地球に接近、侵略し始めんとする異星の怪物たち。 混乱を極めた人類に対し、また別の怪物からメッセージが届いた。 それは“ウルトラドス”と名乗った。 全てのゆっくりの母であり、また地球にゆっくりを送り込んだ存在であると。 ゆっくりは来たるべき日に備え、地球を調査し、侵略者を排除し、原住生物を ゆっくりさせる使命を帯びているのだと。 『それにしては脆弱ではないか?』 『使命など忘れているのではないか?』 『正直迷惑なんですけど?』 人類の疑問に、ウルトラドスはこう答えた。 ウルトラゆっくり姉妹―――ウルトラれいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、 ちぇん、みょん―――選ばれし戦闘ゆっくりが必ずや異星の獣を倒すと。 そして第一の獣が襲来した。 地球近傍に出現したダチョウの卵ほどの物体は、燃え尽きることなく大気圏を突破、 静かに太平洋へと着水した。人工衛星によって撮影された“それ”は隕石などではなく、 明かに人工的な、それでいて奇妙な物体だった。 黒くいびつな形状、血で描いたかのように赤く輝く線模様。 海底でひび割れた“それ”から、軟体質の何かが這い出した。 それは急激に成長しながら深みを泳ぎ、陸へと向かう。 言い知れぬ不安を抱えたまま、人類は運命の日を迎えた。 そして獣が水面を脱した今、その全貌が明らかになった。半魚人の体に 蛸でできた頭を乗せたような、人類を馬鹿にしたフォルム。不快な深緑色の体表は ヌラヌラとした粘液をまとっていた。 ごぼり、と醜悪な音を立ててゼリー状の体液が吐き出される。 『ぐぼぼげおぉ…ふんぐるいぃ! ふんぐるいぃぃぃぃぃ!』 天を仰ぎ、口の周りに垂れ下がる無数の触手を波立たせながらの咆哮。 上陸―――この星を凌辱するとの宣言だった。 迎え打つはウルトラみょん。鋭い眼差しは常なるゆっくりのものではない。 「えれくちおーん!」 みょんの叫びに呼応して、ウルトラ楼観剣がまばゆい光を放つ。ウルトラみょんは 巨獣に対抗しうるサイズ、体高およそ100メートルに巨大化し、 不敵な笑みを浮かべた次の瞬間―――ぶつんと音を立てて、頭の皮が裂けた。 『ま゛らっ!?』 誰もが目を疑った。巨獣も、人類も、ゆっくりも、異なる銀河から地球を観ていた ウルトラドスも。 『ぶべにっ…?』 皮は千々に裂け、体がみるみる崩れていく。 『るろれろ゛…ぞぐ…びょう…』 やがて裾広がりの山、物言わぬ餡子の塊となった。 誰も彼も沈黙。巨獣も振り上げた触手のやり場をなくし、固まっている。 『い゛あ゛っ!?』 静寂を破ったのはミサイルの雨。艦船から、戦闘機から、地上から、ミサイルの バーゲンセール。“実戦で使ってみたくてウズウズしてたのよね”とばかりに 容赦なく巨獣の体を爆撃、爆撃、爆撃。人道的配慮など宇宙怪獣には必要ない。 人類がウルトラドスに懐疑的であり、戦力を配備していたのが幸いした。 『い゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…!』 『ぱぱぱぱっぴぷっぺぽぉぉぉ!?』 巨獣の断末魔と、遥か彼方から発信されたウルトラドスの叫びが重なる。 なぜウルトラみょんが崩壊したのか。その原因は巨大化したみょんの自重だった。 形を保ったままで身長が100倍になれば、体重は単純計算で100の3乗倍、 つまり10万倍になる。 そのため組成の変更や構造の強化は不可欠。ゾウや巨大恐竜の脚は驚くほど太い。 クジラが巨体を誇れるのは、海水の浮力が負担を軽減するからだ。 ウルトラみょんは饅頭のままだった。他の星では問題なかったのかもしれないが、 地球の重力はそれを許さなかった。それを調査するのが先行したゆっくりの 使命だったのではないか…。その問いに答える者はいなかった。 ウルトラゆっくりがまったく当てにならないことが判明した今、人類は初めて “地球人”としての結束をみせている。まずは首脳陣がウルトラドスを詰問している ところだ。初の共同作業が銀河規模の言葉責めとは恐ろしい。 自分の居場所は自分で守るものである。 ところで、あの餡の山は誰が片付けるのだろうか? ※ ※ ※ 3、スィーライダーまりさ 「おにいざぁーん! スィーがほしいのぜ! スィー!」 「お前、のび太以下だな…」 日曜朝8時半、テレビの前で下手なブレイクダンスのようにじたばたしてるのは うちの飼いまりさ。ちゃんとしつけたはずだが、どうも子供っぽくていけない。 「スィーならもう持ってるだろ?」 「ちがうのお! これとこれとこれがほしいのぉぉぉ!」 これ、と指すのは家電量販店のチラシ…しまった! おもちゃコーナーなんてもんが ありやがる! 玩具店のチラシは隠しておいたのに、こんな落とし穴があるとは…。 スィーライダーまりさ、毎週日曜朝8時放送。正義の改造まりさがスィーを 乗り回して怪人をボコる、よいこの人気番組だ。 当然一年ごとに代替わりするし、劇中のアイテムに似せた玩具が販売される。 しかも子供用とゆっくり用がある。儲けるにも程があるわよ、なんてセリフを どっかのアニメ映画で聞いた気がする。 今期スィーライダーは十代目記念だなんだで、歴代まりさが登場する特別編に なっている。スィーも変身アイテムもジェノサイドな武器も大発売。 うちのまりさはバリエーション豊かなスィーに心奪われているようだが、 実はどのスィーも中身は一緒。悲しいけれどそれが本物とおもちゃの格の違いだ。 ネットに上がっている検証映像を見せたのだが、全く効果がなかったようだ。 商売が上手いっていうか、もはや外道の域じゃねえか。 「おみぜいぐぅぅぅ! おにーざんがいがないならびどりでいぐぅぅぅ!」 じたばたじたばた。じたばたじたばた。 「おにーざんはドケチなのぜ…かわいいまりざにズィーかってくれないのぜ…」 あ、動き疲れていじけモードになった。まりさ種のくせに体力ないなあ…。 アレを出すしかないか。 「まりさ、まりさ」 じゃじゃーん、と取り出したはまりさの好物、マッシュルームの水煮缶詰。 ぱああ、と擬音付きでまりさの表情が明るくなる。 「ケチャップ! マッシュルームさんにはケチャップのぜ!」 「はいはい」 こんなんだから甘いとか言われるのかね? さて、スィーを欲しがるまりさの要望は叶えてやりたい。だが出費は抑えたい。 一人+一匹暮らしの家計は厳しいのだ。ここでちょっとしたアイデアが浮かんだので、 実現できるか挑戦してみよう。 数日後、俺とまりさは飼いゆっくり仲間と公園に集まった。ゆっくりがスィーで 遊べる舗装エリアがあるのだ。相川さんちのれいむ、加藤さんちのありす、 佐山さんちのぱちゅりー、田宮さんちのちぇん。 どうやら皆さんもおねだりに困っていたらしく、この話に乗ってくれた。 なに、単なるおもちゃの取り換えっこだ。それでも自分の以外、四種類のスィーに 乗れるわけで、ゆっくりたちもわくわくしている。 加藤さんはビデオカメラまでスタンバイしている。“スィーシェア”しました、 ということでブログのネタにするらしい。 彼のブログはありすの日記(を口述筆記している)という形式になっていて、 そこそこ人気がある。アフィうめえとか言ってるのが目に浮かぶ。 ついジェラシーでパルパルしてしまったが、今日の目的はスィー。 さあゆっくりたちよ、思う存分疾走(はし)るがいい! 「むきゅん、けっこうはやいわね…」と、れいむ号のぱちゅりー。 「れいむのよりはやーい」と、ありす号のれいむ。 「まりさの…まりさの…まりさの…」と、まりさ号のありす。 「おそいよーぜんぜんきもちよくないよー」と、ぱちぇ号のちぇん。 …ん? 何かがおかしい。れいむ号とありす号は普通。まりさ号は置いといて…。 ぱちぇ号は他に比べて明らかに遅い。ならばまりさの乗ったちぇん号は…? 「のぜえええええ!?」 振り返った時にはもう手遅れ。偶然にも柵がジャンプ台となり、まりさを乗せた 高速ちぇん号は見事な軌道を描いて飛び立った。プロもびっくりのスィースタント。 まりさ、輝いてるよまりさ。そしてまりさは砂場の砂山に顔面から突っ込んだ。 スィーはゆっくりの思考で動く不思議アイテム。どうやら持ち主の癖を記憶するらしい。 スピード狂・走り屋ちぇんのスィーは、まりさには乗りこなせなかったのだ。 こうして“スィーシェア”は失敗に終わった。加藤さんにブログのネタを提供して。 日曜朝8時、テレビの前であぐらをかき、まりさをがっちりホールドする。 「今週も楽しみだな、まりさ」 「もうやだぁぁぁ! ズィーライダーなんでもうみなぃぃぃ!」 作 大和田だごん ヒーローネタで三本立て。だって夏休みだから! やっとクトゥ描写を(無理矢理)入れられた…ごちゃまぜだけど… 選択肢 投票 しあわせー! (10) それなりー (10) つぎにきたいするよ! (10) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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小 中 大 あ 隔 「おーい!お前達!もう夏休みの宿題は終わったのかー?」 「…まだー!」ピコピコ… 「…あたしもー!」ピコピコ… 「なんだとー…ほら!ゲームばっかりやってないで…早く終わらせなさい!もう何日も無いぞ!」 「…はーい…この面が終わったら始めるー…」ピコピコ… 「…あたしもー!」ピコピコ… 「…ったく…結局出来なくて泣いたってパパ知らないからなっ!」スタスタスタ…ストン… 縁側に座って庭を見る…今…子ども達は夏休みだ…嫁さんが言うには、まだ全然宿題が終わっていないらしい…。 「…ふふっ…『早く終わらせろ!』…か…俺も子どもの時はよくお袋にケツ叩かれたっけ…変わらないなぁ…」 「…でも…変わったのは…子ども達が外で遊ばなくなったことだな…家の中でゲームばっかりやってるし…」 「俺があいつらぐらいの時は…毎日プールに行って…まだ足りなくて川で泳いだりしてたもんだが…時代は変わったなぁ…」 「みんな真っ黒に日焼けして…スイカやアイスを食ったのが懐かしい…」 …俺が昔を懐かしく振り返っていると…。 「…ホムーホムー…」トテトテトテ… …一匹のほむほむが庭の植え込みの蔭から姿を現した…どうやら餌を探しているようだ…。 「ホムホム…」クンクン…ポイッ! 「ホムーホムホムー…」トテトテトテ…ヒョイ! クンクン… ほむほむは歩き回って小さな石や草を手に取り匂いを嗅いでいる…俺には気づいていないらしい…。 「…ほむほむか…そういやあいつとほむほむで遊んだなぁ…あれも夏休みが終わりかけだったな…」 ~~~~~~~~ 「…おーい!そっち居たかー!?」 「…おう!結構居るぞ!」 「「ホムーホムムー」」ワラワラ… 「…マジか!?すぐそっち行くから逃げないように見張っとけよー!」タッタッタッ… 「わかってるよっ!…っと!?逃がすかっ!!」ガシッ! 「ホムーホムー」ジタバタ… 「…到着!…おぉ!!結構居るな!片っ端から捕まえようぜ!」ガシガシッ! 「了解!…あれ?…俺の持ってきたカゴは?…お前に渡さなかったっけ?」 「あっ!?あっちに置いてきた!!すぐ取ってくるから!!」タッタッタッ… 「マジかぁ…早くしてくれよー!とりあえず見張っとくわ!」 「…すまんー…あった!……おっ待たせー…」タッタッタッ… 「よし!それじゃ捕獲開始ー!」ガシッ!ポイ! 「ホマァ!?」ボテッ! 「よっと!」ガシッ! …ホム… 「ほいっ!」ポイ! 「ホビッ!?」ボテッ! 「おっ!?まどまども居るじゃねーか!!めずらしー!」ガシッ! 「マドッ!?」ジタバタ… 「多分…そのまどまどに引き寄せられて…こいつら集まったんだな!」ガシッ! ポイ…マドカー… 「みたいだな…なぁ…このまどまどはこいつらと分けなくていいかなぁ?」…ホムラチャン… 「分けなくていいんじゃね?さっきまで一緒に居たやつだし…ほかに入れ物が無いし…」ガシッ! ポイ! …ホビャッ… 「だな!お前も入っとけ!…ハーレムだな///」ポイ! 「マギョッ!!!」ボテッ! 「…なぁ…ハーレムって…なんだ?」 「えっ!?…それは…ほら!あれ!…あれだよ…///」 「…なんだよ!?教えろよー!!」 ・ ・ ・ ・ 「…ん~…結構居たなぁ…」マジマジ… 「…そうだな……まどまどなんか見えなくなってるし…」ジー… 「「ホムーホムーマドカー」」ワラワラ…ゴソゴソ… 「…ホムラチャーン…マドーン…」モゾモゾ… 「…これだけ居たら…なんか気持ち悪りーな…」 「…そうだな…」 「「マドカー…ホムホムー」」イゴイゴ…モゾモゾ… 「今日の晩飯はかーちゃんに頼んでほむほむ尽くしにしてもらおっと!」 「…いいなぁ…今日俺んち…かーちゃん居ないから…とーちゃんも遅くなるって言ってたし…」 「そうなのか!?んー…それじゃ、料理できたらお前んちに持ってってやるよ!」 「マジ!?いいのか?」 「隣同士じゃねーか!それに…一緒に取ったのに俺だけ食うんじゃ…悪りーし…」 「ありがとな!それじゃアイス用意して待ってるぜ!」 「おっ!いいな!う~…晩飯が楽しみだ!」 「俺も!」 「「…ホムーホムー…」」ガサガサ… ・・・・・・・・・ 取ったほむほむ達を持って俺達は喋りながら家に向かって歩く…。 「…そういや…お前…宿題全部できたか?」テクテク… 「ん~…まだ作文と…工作が残ってるけど…後は終わったぞ!」テクテク… 「マジか!?…俺…全然出来てない…」ウエー… テクテク… 「それなら家に行くときにドリルやプリント持って行ってやるよ!作文なんかは無理だけど…それなら丸写しでも大丈夫だろ!?」テクテク… 「うわー…そりゃ助かるわ!!お前がいてくれてホント助かる…」テクテク… 「まぁな…ってお前…いつもじゃねーか!!」テクテク… 「…そうだったっけ?」フフーン♪ タタタタ… 「そうだよっ!!…こら!逃げるなー!!」タタタタ… 「「…ホムーホムー…」」ゴソゴソ… ・ ・ ・ ・ …追いかけっこをしながら…いつも遊んでいる空き地の前についた…。 「…ん~…誰も居ないな…みんな宿題の追い込みで遊べないのかなぁ?」 「お前と一緒にしてんじゃねーよ!…多分プールじゃねーか?この時間なら…」 「あ!?そうだな!…ほむほむ狩りに夢中になっててプールのこと忘れてた…なんで言ってくれなかったんだよ!?」 「…俺も今気づいた…」ハァ… 「あ…そうだよな…あー…プール皆勤賞が~…」ガクッ …肩を落としながら俺達はなんとなく空き地に入って行った…。 「あー…しかし暑いなー…」トスッ パタパタ… 俺は木陰に入って座り、手のひらで顔を仰ぎながら呟く…。 「…だなぁ…しかし…こいつら元気だよなぁ…」トスッ ジー… あいつも隣に座り…カゴの中を観察する…。 「「ホムーホムムーマドカー」」モソモソ… ウェヒヒー… 「…まどまどにほむほむ達がたかって…まどまどが見えねーな…」パカ! カゴの上についている蓋を開けてあいつは中に手を突っ込んだ。 「「ホムッ!!ホムムー」」ワラワラワラ… あいつの手に驚いたほむほむ達が一斉に離れる…やっとその中にまどまどのピンクの頭が見えた。 「いたいた…」ヒョイ! 「マドッ!?!?」ジタバタ… カクカク… 「…ホムゥ///…マドカァ///」ヘコヘコ… 「ん!?…こいつ…ほむほむ一匹抱えたままだ…」スポン! 「マドー!!!」ギュー… カクカク… 「マドカァ///」ヘコヘコ… 「…なぁ?…このまどまど…ほむほむにくっ付いてるけど…なんでだ?」クルッ あいつがまどまどを掴んだまま俺の方に差し出す…まどまどはほむほむを落とさないようにしっかり捕まえて…腰を振っていた…。 「…マドドー!!!」カクカク… 「ホムウゥゥ…マドカァーッ///」ヘコヘコ… 「…交尾…だな…」 「交尾!?…って……セ…セセ…セ…ックス…の事だよな///」カァー… 俺の言葉にあいつは…顔を少し赤らめた…。 「気持ち悪りーな!!顔赤くしてんじゃねーよ!!…まぁ…その通りだけど…」 「…へぇ…これが交尾かぁ…いつもはほむほむだけしか居なかったから初めて見たわ…」ジー… 「マドーッ!!!ホムラチャーッ!!!マドドーッ!!!」カクカクカクカク!! 「マドカッ!!!マドカァッ!!!ホムウウゥゥーッ!!!」ヘコヘコヘコヘコ!! 俺達が見ている目の前でまどまどとほむほむは更に激しく腰を振り合う…。 「「ホムー…ホムー…」」 …カゴに残されたほむほむ達はどこか物悲しげに二匹を見ている…。 →その2
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8月12日(はれ) きょう、わたしたち旧地獄のメンバーはこいしさんからおしえてもらったかいすいよくじょうでいっぱいあそんだはずでした。 おりんさんは水によわいらしいのでゴムボートをもってきたはずですけど、 途中で穴があいたりおくうがみずをじょうはつさせちゃったりとたいへんなはずでした。 8月13日(はれ) ちかくのホテルでいっぱくしたわたしたちは『メイとマイのワールドシーツアー』にさんかしたはずでした。 旧地獄ではみられないお魚をいっぱいみれてすごく楽しかったはずでした。 8月14日(晴) 私、ゆっくりぱるすぃは山で海水浴をしています。 なぜ、誰のせいで、命を狙われているのかはわかりません。 ただひとつ判る事は、この海水に秘めた力と関係があるということです。 お空とお燐は水に弱い。 他にも巨大ゆっくりが2~3人以上。白い揚陸艦を所有。 どうしてこうなったのか、私にはわかりません。 これをあなたが読んだなら、その時、私はゆっくりしているでしょう。 …パルパルしているか、どうかの違いはあるでしょうが。 これを読んだあなた。どうか博霊神社にでも訴えてください。それだけが私の望みです。 「一体どうしてこんなことに………っ!」 事の始まりは8月12日。明日から三日間海で遊ぶということでゆーぎややまめたちと水着とかの道具を吟味していた時だった。 突然私たちを海に誘った張本人であるゆっくりさとりんがやってきて、男前フェイスで私たちに向かってこう叫んだのだ。 「大変だみんな!海が全て蒸発した!!」 「「「な、なんだってーーーーーーーーーーーーー!!!!」」」 ノリで叫んだのはいいがその時の私たちにそんなこと信じられるはずがない。 私たちはまず始めに困惑し、熟考し、あらん限り嘲笑した。 けれどさとりから示された情報は私たちにその残酷な事実を信じさせるものに十分なものだったのだ。 「な、なによこれ……」 「私達が行く予定だった海の写真です。……鳥取砂丘じゃありませんよ」 いや、これはもう鳥取砂丘にしか見えない。潮が消えたため砂浜が広がり、水平線が地平線へと変わり果てた海の姿が映像として映し出されたのだ。 流石にこんなものを見せられては信じるしかあるまい。というわけで私たちは仕方なく次の旅行のプランを立て始めたのであった。 その日からTVではひっきりなしにキャスターのきめぇ丸の偽物が海の蒸発にについて熱弁し始めた。 天人の仕業だ、とか孔明の罠だとか、ディケイドの仕業に違いないとか色々な憶測を呼んだけれど確的原因はまだ誰にも分らなかったのである。 で、8月14日、紅饅館の前の湖で水浴びしようということになって再び水着とかの道具を吟味していると再びさとりんがやってきてこう言ったのだ。 「ぱるすぃ!ゆーぎ!あなた達は海を取り戻す為に山に登り聖水(清めの塩を入れた水)を火山に投げ込んできなさい!」 RPGの王様もびっくりな難題を押し付けてきやがった。 なんでピンポイントに私とゆーぎなのだ、と当然の疑問をぶつけるとさとりんはこう返してきた。 「りんは猫だから水に弱い、お空だと聖水を蒸発させてしまうかもしれない。 やまめだと聖水が穢れてしまいます。きすめは桶だからです。あと愚妹のこいしはどっか行っちゃいました」 「……で、消去法でわたしたちってことね……」 くそうパルパル。水に弱いやつらが妬ましい。私はよりにもよって橋姫だし。 正直めんどくさいし断るつもりだったがゆーぎのやつがやたらノリノリで私と一緒に行くこと前提で話を進めやがった。 で、そんなこんなで話は異常なまでに進みまくり私たちは今こうして聖水という名の海水を入れた水槽型スィーに乗って山を登っているのであった。 私も湖に行きたかったなぁ。ああ、妬ましい。 「ごぼごぽぱぁぐぽぽぽぽぽぽ(まぁいまこうして海水浴できるしいいじゃないか)」 「がぽぽぽぽぽぽぽぎゃぽんぽぽぽっぽぽぁ(水槽で海水浴ってふざけるんじゃないわよ、ぱるぱる)」 本当どうしてこうなったのだろうか。責任者出てこい。 「ぷはっ、しかしどういう理屈なのよ。この水を火山になげこめば海が復活するなんて」 「ぱんぽいっぱぶぽぽぺばばばばび(ま、信じるしかないだろ。海が無くなった理由だって分かんないし)」 「いい加減でてきなさい」 まぁあの人を見透かしたようなさとりんのことだ。変なところから情報を得ても別におかしくはないだろう。 訳分からないことは訳分からないことで対処する。それは私たちゆっくりにも当てはまるような気がする。 「山で海水浴かぁ……ああ、きすめ達が激しくねたましいっ!!」 私達を運ぶ水槽型スィーは海水を溢すことなく順調に山を登り続けている。 この調子なら今日中に着くだろう。そしたら明日から海水浴の準備を続けようじゃないか。 「そういうわけにも……びぱぱぽうばぽ(いかなそうだぞ)」 「なんでセリフの途中で……ってどういうこと!?」 「ほらみてみろ……やつらこの海水をねらおうとぎらぎらめをひからせてやがる」 出発するときさとりんから海水を狙う敵には気をつけろと言われた。 海水なんて狙うやつどこにいるのだ、水なんて井戸掘れば出てくるし海が戻る事を願わない者はいないはず。 その時は一笑に付しただけだったが今私達は確かに何か悪意に満ちた視線を肌で感じていたのだ。 「う、うそでしょう……」 「あいにくわたしは嘘が嫌いでね……奪われないようにそなえろよ……」 そう言ってゆーぎはスィーから出てその視線の主に対して構えをとる。 私もスィーを止めて敵に備えるが何故か体の震えが止まらない。どうして、受けているのは単なる視線だというのに。 「くるぞっ!!」 「GUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」 猛獣のような雄叫びが響き、草陰からその視線の主がのそりのそりと地響きを立てて現れる。 「そいつ」は山の如して言っても遜色がないと言いきれるほど巨大な体を携えていた。 腕も足も腰も胴も、全てが規格を超えている。そして何より、その巨体から発せられる威圧は全てを圧倒していた。 「ヘビータイプ……だな」 -''"´ `' ,'´ ,. -‐ァ'" ̄ ̄ ̄`ヽー 、`ヽ ゝ// `ヽ`フ . / .,' /! /! ! ハ ! ',ゝ . ( ! ノ-!‐ノ! ! ノ|/ー!、!ノ ,.ゝ DOSUKOOOOOOI!!! . . . ヘ ,ノレ' rr=-, r=;ァ ir /! ノ . . ( ノ ! ! ヘ( . . . ) ,.ハ ) 'ー=ョ ( ! ',ヽ.''ー‐---,,,_ .) '! ト.、 ,____, .イ i .ノ , ゛', r´ t、 `r---------‐´レヘ ノ / ノ _,f'、 ,, ' ` ー一'´ ,;' ゛''''i、,-''"゛i ノ _,,r''´ ゛ "´ ( ノ ,,.‐'´ ゛'' ,、,,‐'iン' ..... .. .. ', r,‐‐ / r、__,-'´ _,,-'´_,,,.-ヽ, ,' '、 l i,) /-,,_ ヒ'-'ゝ. 、 ,,.-‐'',.-''"´ l'、,. ,...ノ ゛'、,,_ ノソ_,/ `゛'‐, ゝミ_,,ノ" ,'´ iヽ,`゛゛゛´ ゛゛"./~i .... ', ト; .. ', i'、 ,/ノ.,ノ .. ゛゛ ', ,' ゛'',ソ‐-、 '、i i'‐、,_ _,,..ノ、,ィヘ,,-‐‐'"´゛i" ゛,. ,' ,' `゛'', ´ヽ、'、 ヽ'ど'''"'‐、,,_ノ, '; ', l ,.ノ , /"'ぐすこいヽレティ゛ ' . ゛'、. l 「って関取じゃないのよ!!!」 「いや、ただの関取じゃない……RIKISHIだ。この騒ぎで魔道に堕ちたか……」 「ちがいがわからないわよ」 まぁ単なる力士ならゆっくりしてるスィーの速度でも引き離せることだろう。 そう思って私はゆーぎに再び乗るよう勧めたが、ゆーぎは首(?)を横に振って私の勧めを断固として拒否した。 「むり、だ。すぐに追いつかれる」 「そんはずないじゃない、あんなでかい体なのに」 私は分からず屋のゆーぎをむりやりスィーに乗せようと一度水槽から出る。 だがその時関取が大きく四股を踏み、それによってかつてないほどの衝撃が私達を襲ったのだ!! 「あわわわわわっ!!!な、なによ!!」 「見ろ……これがRIKISHIのちからだ」 「DOSUKoooooI!!!」 そのまま地響きを鳴らし続けながら力士はガニ股の姿勢で私たちに迫ってくる。 先ほど私は山のように、という比喩を使ったが少し訂正させてもらう。 この速度は、道なき道を駆けるダンプカーそのものだ!!!! 「ぱるすぃ、わたしがこいつを引きつけておくからすぐに山頂へ向かってくれ」 その巨大さに速度が加わったあまりの威圧に私は委縮することしか出来ない。 だがゆーぎは私に向かって誇らしげにそんなこと言い放ったのだ。自分だって30㎝くらいのゆっくりの癖に。 「で、でも……」 「RIKISHIはDOHYOUに撒くためのSHIOを欲しているんだ。奴らはこの聖水を狙うことだろう」 そうなったら海はもう復活しない。だから世界のために命がけで守る必要があるんだ。 ゆーぎはそう言うがこのあまりの力量差ではゆーぎは無事ではいられまい。でもゆーぎは私に有無を言わせず髪の毛で私を水槽の中に投げ込んだのだ。 「さあぱるすぃ!いくんだ!いそげよ!!…………実は……お前のこと……そんなに好きじゃなかったよ」 「ゆ、ゆーぎ……………………」 一見良いように見えて地味に捨て言葉のような告白を受け私は涙ながらにスィーをフルスロットルで動かした。 零れた涙が聖水に混じる。塩が目に入って再び涙を流す無限ループ。 私は居た堪れなくなり去っていくスィーから勇猛果敢に戦うゆーぎの姿を見た。 ゆーぎは必死に相手の突っ張り、張り手を悉くかわし、隙を見てはあの巨体に向かって体当たりを続けている。 でもゆっくり特有のもちもち肌で相手にダメージは与えられない。寧ろ相手の弾力のせいでゆーぎの方がダメージを喰らっているように見えた。 「あ、ああ……」 彼女の姿は次第に小さくなっていく。もう見ていられなくて私はちゃんと運転するためにくるりと前を向いた。 「ゆーぎ…………無茶ばっかり……」 (知ってたか?角が付いてるキリン装備で角攻撃は出来ないんだぜ?だから私は角を使わない) いつも角を使わず体当たりで戦うゆーぎはそんなことを信条としてのたまっていた。 今も彼女は体一つで戦っている。ウソかホントか分からないが、もしホントだったら相当のアホではないだろうか。 「あぁーここならゆっくり出来る……」 全速力でスィーを走らせようやく私は落ち着けそうな岩場まで辿り着いた。 でも夢中で走っているうちに日もすっかり落ちてしまい辺りはシンと静まりかえっている。夏だというのに虫の音さえも聞こえてきやしない。 「はぁ………」 まるで寂れた墓場のようでバサルモスでも出そうなこの場所で私は大きく嘆息をついた。 これじゃあ明日海行くのは絶望的だ、あとゆーぎは大丈夫だろうか。色々な悩みが悉く押し寄せ私は夜風に当たろうと水槽から飛び出した。 「うう、何で私は……勇気を振り絞れるゆーぎがねたましい……」 本当はちょっと悲しいけど、そんな感情を誤魔化す為に私は無理にパルパルする。 でも今の私は水槽の外、混じらせるための聖水は周りには無く私はただただ涙を流した。 「…………………………お~い」 「!!!!!!」 静寂の中、微かに誰かの声が私の耳に聞こえてきた。 いいや、誰かの声なんて暫定的なもので表すものじゃない。確信する、この声はゆーぎの声だ。 「いやぁまさか私の角にこんな使い方があったとは!!」 闇の中からあの鬼特有の活発な声がどんどん大きくなってくる。 これほど大きい声を出せるということは無事なのだろう。それにセリフから判断すると、きっと角を使って勝利したのだ。 私は純粋にゆーぎが無事だったことに喜んだ。涙を誤魔化そうと無理やりパルパルしてももうそれは無駄に終わる。 「ゆ、ゆーぎっ!!!」 「いやぁ私の角が取っ手として使えるほど持ちやすいとは!盲点だったなー」 「ばっかじゃねぇのかてめえ!!!」 確かに無事だったけどさ。ゆーぎはその自慢の角をあの力士に掴まれてやってきたのだ。 そのままゆーぎは私の方へと投げられて見事に水槽へとダイブする。 塩水が頭にかかる。もう混じらせるための涙は流石に湧いてこなかった。 「ごぼごぼごっぽぉ(いや~体当たりだけじゃあの肉質にダメージ与えるのは無理だな~)」 「何か意図があってあえてしないと信じたいけど………角使いなさいよ!!」 「ごぱぽ(いや、キリン装備は角で攻撃しないじゃん)」 「……その素材元のキリンは普通に角攻撃するのに?」 私がそう言うとゆーぎは無言となり十秒後くらいにうわああああああ的な表情になった。 真性のアホだった。 「ど、どうすんのよってああああ!!!あのふとましいのめっちゃこっち見てる!目が輝いて怖い!」 「MADOUに堕ちたRIKISHIはみなああなるんだ………他にもPOTETIしか食べなくなったりYAKYUTOBAKUしたり……」 「もう何なのよ!RIKISHIって!!うわこっちきたぁ!!」 私はすぐさまスィーに乗って逃げだそうとしたがあのRIKISHIの突っ張りがスィーの側面を打って、激しい衝撃が私たちを襲う。 幸いガラスは割れなかったようだがRIKISHIは続けざまに突っ張りを繰り返し、もう横転してしまうんじゃないかというくらい激しく揺れた。 「ぽぺぺぺぺ(ゆれるゆれるゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ…………うえ~~~っ)」 「ぐぺぷぽ!(やめてよ!)」 あ、もうこりゃ駄目かな、仕方ないからこの夏休みはプール行こう。 そう悟りながら水中を揺れていると何か反対側の方から目の前のRIKISHIとは違ったまた別の威圧を感じた。 「ば、ばぴ!?(な、また何かが!?)」 「この水を狙ってるのは、こいつだけじゃないってことさ……おげっ(ぐぺぽぽぽんぼぼぼぼぼ)」 「ぐぺぷぽ!(やめてよ!)」 もう一人の敵よりもゆーぎの体調の方が危機的状況だが無視しないではいられない。 私は揺れる水の中、もう一つの闇に光る眼を見つけた。 ,.‐''⌒|\ ,.‐''⌒|\-‐ァ'´ ̄`7ー 、.,_ /;;;;;;;;;;;;;/ \ /;;;;;;;;;;;;;/ \ァ7"´ ̄`ヽ、 `メ、 /;;;;;;;;;;;;;;/ /;;;;;;;;;;;;;;/ \ \_ノ\ (_ <;;;; ,ト、_/(_ <;;;; \ \_,ノ 、 \;;;;;;;;;;;;;; く \/\;;;;;;;;;;;;;;; \ ヽ ,ハ \;;;;;;;;;;;; />''"´ \;;;;;;;;;;;;;;; \ |_/| \;;/ \;;;;;;;;;;;;;;;;; \ | | DOSUKOOOOOOOOI!! 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「そんなことで嫌な顔すんなよ……あ、そうだ。塩と言えばもう一つ無駄知識があったわ」 「……………ま、まぁ聞いてあげないこともないわね!!!」 「あ、いやさ。ガン○ムでセ○ラさんが勝手にガンダ○で出撃する話あるじゃん。 あれTV版だと塩を探してるときに交戦してるんだよ」 へぇ~、自分は映画版しか見てないから知らなかったわー。 ってだからなんでゆーぎに教えてもらってんのよ!!畜生畜生畜生!!!! 「ぱるぅーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 「落ちつけおちつけ」 ゆーぎに必死に宥めてもらって私はようやく正気を取り戻す。 こういうときは明日のことを考えろ。青い空、青い海、きらめく水飛沫。ああ、考えただけでも胸がときめいてしまう!!! 「はは、もしかしたら塩を探してる戦艦が実際に来たりしてな」 「そんなはずあるわけないじゃないの、やっぱりゆーぎはゆーぎね。」 ああ、妬ましい嫉ましい。でもいつの間にかゆーぎも元気を取り戻してくれたようだ。 最初の頃はなんか鬼ってうぜーなって距離を置いていたけれど、こうして一緒にいるうちにゆーぎと一緒にいるのが楽しくなってきた。 明日の海水浴ゆーぎも誘おうかな?そう思うと少し楽しくなって私はスィーを動かし続けた。 「…………………なんかさっきより暗くなってない?」 「…………………………なんか轟音が聞こえるな」 先ほどの台詞がフラグで無いことを祈る。 とにかく前を向いて、戦艦なんて来るはずないじゃないの。 『あ~テステス、ムラムラ。こちらびゃくれん軍第四ボス艦隊所属強襲揚陸艦ホワイトセイレーン。塩わたせ~』 「逃げるぞっ!!!」 「分かった!!!」 危機を共にすると深い絆を生むというように互いの意思がシンクロする。 ゆっくりせずに全速力で進んでいるがヤバい。なんか背後ですっごい爆発音が聞こえる。 「ここまで来て終われるかぁーーーーーーーーーーーーっ!!!!」 「劇場版でのマ・クベってどうなったんだろうなぁーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」 『海水なくちゃ舟幽霊のアイデンティティがなくなっちゃうでしょうがーーーー!!!』 三人の叫びが夜の火山にこだまし、不意にわたしたちの体はスィーごと浮き上がった。 恐らく、ミサイルか何かが、私達のちょうど背後に、着弾して、爆風に巻き込まれたの、だろう。 そして、必死に、走り続けたためか、いつの間にか、私達は、山頂に辿り着いていて、 私達の着地予定地点は、火口の中だった。 なんでこんな冷静に物事を判断できるのか、私は不思議でたまらない。 「あ」 「おっと」 水槽から投げ出された私は無意識的にゆーぎの金色の髪を掴んでいた。 後ろ髪を引っ張るだなんて橋姫らしい酷い事をしているような気がしたけれど、ゆーぎはそんなことを気にしている様子はなかった。それどころか 「ちゃんとつかまれよっ!!!」 とまで言ってくれて、私達はそのまま火口の内壁に勢いよくぶつかっていった。 内壁は掴めるところがなく、このまま私達はずり落ちていくか、跳ね返ってそのまま重力に従っていくかどちらかだっただろう。 でもそうならなかった。ゆーぎの角は見事に内壁に突き刺さっていたから。 「こ、こんな使い方もあるとはな……おどろきだ」 「うううゆゆゆゆゆぅぅぅ」 私達は助かったのだ。 海水の入ったスィーはそのまま火口に落ちていって、ぼしゃんと焼けるような音を立てて溶岩の中に沈んでいった。 「えっと、あの水を火口に入れればいいんだから……」 「これで海がもどる……のね」 気が緩んで落ちてしまいそうになったがゆーぎの髪がちゃんと絡みこんでしっかり私を支えてくれた。 そのまま私達は死に物狂いで火口から這い出ていった。 「あの船もどっかいっちまったか。あいつ、前地底にいたムラムラむらさじゃね?やたらムラムラしてたから」 「あ、あの、ゆーぎ……」 雄々しく紅く輝いていたゆーぎの角は内壁を登っているうちにすっかりボロボロになってしまっていた。 でもそんなこと気にした様子もなくゆーぎはのほほんとゆっくりした表情で前を見据えている。 「さて、ホントに海がもどるのかねぇ……いまいち実感がわかないな」 「あ、そ、それじゃ」 私はほんの些細なことだけど勇気をもってその一言をゆーぎに語りかけた。 「いっしょに、海いきましょう?」 「うん!そうだな!!」 ここから近い海ならゆっくりしてても朝にまでに着くだろう。 水着なんていらない。二人だけのゆっくりした夏の海水浴。 「うおぉ……ちゃんともどってるな」 ゆっくり歩いたり休んだりして約六時間。 私達も知っているありのままの姿の海が私達の目の前に広がっていた。 映像の砂漠なんて元々無かったと、言ってもいい。ちょうど登り始めた朝日が水平線に輝いて美しい。 「これが……海、なのね」 「やっほーい」 地底ばっかに引きこもっているから流水の美しさというものを忘れかけていたのかもしれない。 ゆーぎは最初から海水浴が楽しみだったのかはしゃいでばしゃばしゃと海の中へ入っていった。 「こらこら、まちなさい!」 朝の海水浴と言うのは珍しいが歩き疲れたので今は水の冷たさを感じたい。そう思い私はゆーぎを追って海へと勢いよく飛び込んだ。 「ぱっるぅ!!…………………………………あれ」 冷たくない。海って冷たいものじゃなかったっけ。 それとも私達は間違えて屋外スパリゾートへ来てしまったのだろうか。 「いやーー!あったかくて気持ちがいいな!」 「あ、え、ええと、ゆーぎ……ここうみよね」 「ん?ここはたしか零九寺海岸のはずだろ?」 近くのおくうのようなマスコットキャラが描かれた看板には確かに海岸と書いてある。 というかスパだったら水平線なんて見えるはずがないじゃないか。そう温かい海に浮かびながら悩んでいると背後から不意に声がかかった 「お疲れ様でした二人とも。はい、これ」 さとりんだった。男前フェイス&170センチの長身&ラフな格好だから違和感たっぷりだ。 さとりんは手に持った二本のラムネを私達に手渡した。キンキンに冷えて気持ちがいい。 「あ、えーと、これホントにうみ?」 「言いたいことは分かります。とりあえずここまで頑張った二人には1から事情を……」 とりあえず、旧地獄が岩塩の販売に手を出したことはゆーぎから聞いていることだろう。 しかし調子に乗って掘り続けた結果海に繋がってしまい海の水が一気に旧地獄に溢れ出てしまったのだ。 「海岸線が途方に引くほどの量が流れ込んでしまいましてね。幸い地上近い街の方には行きませんでしたけど」 「あ、それじゃ蒸発ってのは……」 「私達の情報操作です。TVの方もぬかりなくやっておきました」 地霊殿のみんなを総動員して海の水を元に戻すことをしたけれど出力が足りなくてどうにもいかなかったそうだ。 そこで地球の力を少しだけでも借りようと火山をほんの少し活性化させるという話になったのだ。 「へぇ……それが私たちのしごとだったのか」 「おかげで水もほとんど元に戻すことが出来ました。礼を言います」 地霊殿の主から礼を言われるというのは結構嬉しいことで私は少し照れてしまう。 いや待て、事情は分かったがこの海の温かさの理由は……… 「灼熱地獄跡で保管してましたから」 「………………………………………こんなの海水浴じゃない!!!」 なんで真夏の暑い日に温かい海で泳がなあかんのだ!!!これじゃ単なる屋外スパリゾートだろうが!!!! くそう、違いなんて塩分だけじゃないか。この、この。 …………………いや、先ほどから口の中に水が入っているが塩辛さなんて全然ない。 どういうことだ。海はもっとしょっぱいものじゃないのか!? 「……さとりん、なんかしょっぱくないけど」 「岩塩の事業は駄目になってしまいましたからね……その代わりに海水の塩分を」 ………………………………………じゃあ、私達は何のための海水浴をしてるんだ。 折角海に来たのにやってることは地霊殿とそう変わらないではないか。なんのための任務だったんだ!! ゆーぎのやつはというと全然気にしない様子でのんびり浮かびながら酒を飲んでいた。 「だいじょうぶさぁ~塩辛さなんて長く湯につかってりゃ汗の塩で元に戻る」 「汗臭さなんて誰も求めてないわよ!!」 「とりあえず明日からここで屋外スパ『おくうくうランド』始めるので、バイトしたいのなら優先してあげますよ」 「いらねぇーーーーーーーーーーー!!!!こんな暑い中だれがはたらくかぁーーーーーーーー!!!」 ああ、いまごろヤマメやキスメ達はつめた~~~~い湖で優雅に泳いでるんだろなぁ。 ちるので納涼、ちょいと場違いなスイカ割り、紅饅館でのディナー。 それに比べて今の私は屋外で温泉だぁーーーーーーーーーーーーーー!?!?!?!?! 「ねたましィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」 8月15日晴れ夏真っ盛り終戦記念日あとコミケ3日目。 一人の嫉妬ゆっくりの叫びが海岸に木魂した。 キリン装備じゃ角攻撃出来なかったのか それにしても水槽で山を登るって発想自体こうきたかと目が点になった 普通思いつかないw -- 名無しさん (2010-08-21 10 07 11) 手形の謎とかうまいなあ。そういえば幻想郷って海が無いから塩は 岩塩なのかな? -- 名無しさん (2010-08-22 18 37 42) RIKISHIの恐怖に背筋が凍ったw奴ら日本の精鋭すぎるww でもYAKYUTOBAKUだけは簡便なw -- 名無しさん (2010-09-15 15 07 30) 名前 コメント
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※夏休みだから三本立て それぞれ風味がバラバラです。三本目は愛で成分多いです ※パロディです悪意なんてありませんごめんなさい 1、元祖 全身に泥を被った男性が突然、職場に駆け込んできた。 「ちょっとこれ! これ配送ミスですよね!? こんなんじゃ仕事にならないですよ! どうするんですか!?」 自動ドアを破らんばかりの勢いに、開口一番の罵声。腰が抜けるかというほど 驚いたのだが、彼の名前と職務を思い出し、私は事の重大さを認識した。 私の職場、クール便配送センターがにわかに活気づき、慌ただしくなる。一刻も早く、 膨大な量の貨物から“あれ”を探し出さなくては。職員の間を指示と報告が飛び交う。 とはいえ私はただの受付係なので、ここに立っていることしかできない。いや、 ここに立っていなくてはならない。…彼のために。 「自分で言うのもなんですけどね、治安に直結してますから、僕の仕事。 こういうの困りますよ」 彼はカウンターによりかかり、私の前に“それ”を置いた。間違えて渡された “それ”では、確かに仕事にならないだろう。命さえ危ういかもしれない。 ため息をつくその姿からは、重い疲労が滲み出ている。 よく見ると服のあちこちが破けていた。彼の体は傷だらけだった。 「まあ、うっかりこれで出てしまったのは僕ですけどね…はは…」 私は何も言えなかった。 気まずい沈黙の後、奥から彼の荷物が運ばれてきた。ひたすら頭を下げる所長を前に、 彼はバリバリと乱暴に包みを開いた。 「こちらこそすみませんでした! ともかく急いでるんで、現場戻らないと! まあ今度飲みにでも行きましょう!」 先ほどまでとは一転、明るい声と笑顔。彼の首の上で輝く、それは。 「元気、100倍!」 彼は本来の頭を接続すると、マントをなびかせて空高く飛んで行った。 私たちのヒーローはいわゆる単身赴任。だが故郷で作られた本物のパンでないと 力が出ないのだそうだ。今回の配送ミス、責任は誰がどう取るのやら。 そりゃあ、濡れたら力が出ないし、中身が餡子だけれど。 「…気付けよなあ、いくらなんでも」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛…」 後には傷だらけのゆっくりれいむが残された。 ※ ※ ※ 2、帰ってこないウルトラみょん 幾何学模様を乱された海岸線。おもちゃのブロックのように蹴散らされたコンテナ。 薙ぎ倒された何本ものクレーン。転覆した貨物船。石油化学製品の黒煙が刺激臭を 放ち、辺り一面を覆う。 ここは太平洋に面した貨物港。その只中に青白い未知の巨獣が屍を晒し、 ペンキのように青く濁った血を流していた。そして長い影を落とす白銀の柱と、 歪んだ黒い塊―――ウルトラみょんの成れの果て。 突如として地球に接近、侵略し始めんとする異星の怪物たち。 混乱を極めた人類に対し、また別の怪物からメッセージが届いた。 それは“ウルトラドス”と名乗った。 全てのゆっくりの母であり、また地球にゆっくりを送り込んだ存在であると。 ゆっくりは来たるべき日に備え、地球を調査し、侵略者を排除し、原住生物を ゆっくりさせる使命を帯びているのだと。 『それにしては脆弱ではないか?』 『使命など忘れているのではないか?』 『正直迷惑なんですけど?』 人類の疑問に、ウルトラドスはこう答えた。 ウルトラゆっくり姉妹―――ウルトラれいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、 ちぇん、みょん―――選ばれし戦闘ゆっくりが必ずや異星の獣を倒すと。 そして第一の獣が襲来した。 地球近傍に出現したダチョウの卵ほどの物体は、燃え尽きることなく大気圏を突破、 静かに太平洋へと着水した。人工衛星によって撮影された“それ”は隕石などではなく、 明かに人工的な、それでいて奇妙な物体だった。 黒くいびつな形状、血で描いたかのように赤く輝く線模様。 海底でひび割れた“それ”から、軟体質の何かが這い出した。 それは急激に成長しながら深みを泳ぎ、陸へと向かう。 言い知れぬ不安を抱えたまま、人類は運命の日を迎えた。 そして獣が水面を脱した今、その全貌が明らかになった。半魚人の体に 蛸でできた頭を乗せたような、人類を馬鹿にしたフォルム。不快な深緑色の体表は ヌラヌラとした粘液をまとっていた。 ごぼり、と醜悪な音を立ててゼリー状の体液が吐き出される。 『ぐぼぼげおぉ…ふんぐるいぃ! ふんぐるいぃぃぃぃぃ!』 天を仰ぎ、口の周りに垂れ下がる無数の触手を波立たせながらの咆哮。 上陸―――この星を凌辱するとの宣言だった。 迎え打つはウルトラみょん。鋭い眼差しは常なるゆっくりのものではない。 「えれくちおーん!」 みょんの叫びに呼応して、ウルトラ楼観剣がまばゆい光を放つ。ウルトラみょんは 巨獣に対抗しうるサイズ、体高およそ100メートルに巨大化し、 不敵な笑みを浮かべた次の瞬間―――ぶつんと音を立てて、頭の皮が裂けた。 『ま゛らっ!?』 誰もが目を疑った。巨獣も、人類も、ゆっくりも、異なる銀河から地球を観ていた ウルトラドスも。 『ぶべにっ…?』 皮は千々に裂け、体がみるみる崩れていく。 『るろれろ゛…ぞぐ…びょう…』 やがて裾広がりの山、物言わぬ餡子の塊となった。 誰も彼も沈黙。巨獣も振り上げた触手のやり場をなくし、固まっている。 『い゛あ゛っ!?』 静寂を破ったのはミサイルの雨。艦船から、戦闘機から、地上から、ミサイルの バーゲンセール。“実戦で使ってみたくてウズウズしてたのよね”とばかりに 容赦なく巨獣の体を爆撃、爆撃、爆撃。人道的配慮など宇宙怪獣には必要ない。 人類がウルトラドスに懐疑的であり、戦力を配備していたのが幸いした。 『い゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…!』 『ぱぱぱぱっぴぷっぺぽぉぉぉ!?』 巨獣の断末魔と、遥か彼方から発信されたウルトラドスの叫びが重なる。 なぜウルトラみょんが崩壊したのか。その原因は巨大化したみょんの自重だった。 形を保ったままで身長が100倍になれば、体重は単純計算で100の3乗倍、 つまり10万倍になる。 そのため組成の変更や構造の強化は不可欠。ゾウや巨大恐竜の脚は驚くほど太い。 クジラが巨体を誇れるのは、海水の浮力が負担を軽減するからだ。 ウルトラみょんは饅頭のままだった。他の星では問題なかったのかもしれないが、 地球の重力はそれを許さなかった。それを調査するのが先行したゆっくりの 使命だったのではないか…。その問いに答える者はいなかった。 ウルトラゆっくりがまったく当てにならないことが判明した今、人類は初めて “地球人”としての結束をみせている。まずは首脳陣がウルトラドスを詰問している ところだ。初の共同作業が銀河規模の言葉責めとは恐ろしい。 自分の居場所は自分で守るものである。 ところで、あの餡の山は誰が片付けるのだろうか? ※ ※ ※ 3、スィーライダーまりさ 「おにいざぁーん! スィーがほしいのぜ! スィー!」 「お前、のび太以下だな…」 日曜朝8時半、テレビの前で下手なブレイクダンスのようにじたばたしてるのは うちの飼いまりさ。ちゃんとしつけたはずだが、どうも子供っぽくていけない。 「スィーならもう持ってるだろ?」 「ちがうのお! これとこれとこれがほしいのぉぉぉ!」 これ、と指すのは家電量販店のチラシ…しまった! おもちゃコーナーなんてもんが ありやがる! 玩具店のチラシは隠しておいたのに、こんな落とし穴があるとは…。 スィーライダーまりさ、毎週日曜朝8時放送。正義の改造まりさがスィーを 乗り回して怪人をボコる、よいこの人気番組だ。 当然一年ごとに代替わりするし、劇中のアイテムに似せた玩具が販売される。 しかも子供用とゆっくり用がある。儲けるにも程があるわよ、なんてセリフを どっかのアニメ映画で聞いた気がする。 今期スィーライダーは十代目記念だなんだで、歴代まりさが登場する特別編に なっている。スィーも変身アイテムもジェノサイドな武器も大発売。 うちのまりさはバリエーション豊かなスィーに心奪われているようだが、 実はどのスィーも中身は一緒。悲しいけれどそれが本物とおもちゃの格の違いだ。 ネットに上がっている検証映像を見せたのだが、全く効果がなかったようだ。 商売が上手いっていうか、もはや外道の域じゃねえか。 「おみぜいぐぅぅぅ! おにーざんがいがないならびどりでいぐぅぅぅ!」 じたばたじたばた。じたばたじたばた。 「おにーざんはドケチなのぜ…かわいいまりざにズィーかってくれないのぜ…」 あ、動き疲れていじけモードになった。まりさ種のくせに体力ないなあ…。 アレを出すしかないか。 「まりさ、まりさ」 じゃじゃーん、と取り出したはまりさの好物、マッシュルームの水煮缶詰。 ぱああ、と擬音付きでまりさの表情が明るくなる。 「ケチャップ! マッシュルームさんにはケチャップのぜ!」 「はいはい」 こんなんだから甘いとか言われるのかね? さて、スィーを欲しがるまりさの要望は叶えてやりたい。だが出費は抑えたい。 一人+一匹暮らしの家計は厳しいのだ。ここでちょっとしたアイデアが浮かんだので、 実現できるか挑戦してみよう。 数日後、俺とまりさは飼いゆっくり仲間と公園に集まった。ゆっくりがスィーで 遊べる舗装エリアがあるのだ。相川さんちのれいむ、加藤さんちのありす、 佐山さんちのぱちゅりー、田宮さんちのちぇん。 どうやら皆さんもおねだりに困っていたらしく、この話に乗ってくれた。 なに、単なるおもちゃの取り換えっこだ。それでも自分の以外、四種類のスィーに 乗れるわけで、ゆっくりたちもわくわくしている。 加藤さんはビデオカメラまでスタンバイしている。“スィーシェア”しました、 ということでブログのネタにするらしい。 彼のブログはありすの日記(を口述筆記している)という形式になっていて、 そこそこ人気がある。アフィうめえとか言ってるのが目に浮かぶ。 ついジェラシーでパルパルしてしまったが、今日の目的はスィー。 さあゆっくりたちよ、思う存分疾走(はし)るがいい! 「むきゅん、けっこうはやいわね…」と、れいむ号のぱちゅりー。 「れいむのよりはやーい」と、ありす号のれいむ。 「まりさの…まりさの…まりさの…」と、まりさ号のありす。 「おそいよーぜんぜんきもちよくないよー」と、ぱちぇ号のちぇん。 …ん? 何かがおかしい。れいむ号とありす号は普通。まりさ号は置いといて…。 ぱちぇ号は他に比べて明らかに遅い。ならばまりさの乗ったちぇん号は…? 「のぜえええええ!?」 振り返った時にはもう手遅れ。偶然にも柵がジャンプ台となり、まりさを乗せた 高速ちぇん号は見事な軌道を描いて飛び立った。プロもびっくりのスィースタント。 まりさ、輝いてるよまりさ。そしてまりさは砂場の砂山に顔面から突っ込んだ。 スィーはゆっくりの思考で動く不思議アイテム。どうやら持ち主の癖を記憶するらしい。 スピード狂・走り屋ちぇんのスィーは、まりさには乗りこなせなかったのだ。 こうして“スィーシェア”は失敗に終わった。加藤さんにブログのネタを提供して。 日曜朝8時、テレビの前であぐらをかき、まりさをがっちりホールドする。 「今週も楽しみだな、まりさ」 「もうやだぁぁぁ! ズィーライダーなんでもうみなぃぃぃ!」 作 大和田だごん ヒーローネタで三本立て。だって夏休みだから! やっとクトゥ描写を(無理矢理)入れられた…ごちゃまぜだけど…
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朝倉涼子のグサデレ ~夏休み・ハイキング編~ 第1話 キョン「朝倉、話がある」 朝倉「なに?」 キョン「今年の夏、俺たちは花火、プールと夏の風物詩を楽しんだ」 朝倉「?…そうね」 キョン「だが俺は気づいた、まだ山に行ってないことに!」 朝倉「それで?」 キョン「そこで提案する。明日はハイキングに行くってのはどうだ?良い考えだろ?夏らしいだろ?行きたいと思うだろ?……よし決定だ。明日の朝いつもの場所に集合な。じゃあ今日は解散ということで……」 朝倉「あたしの意見も聞かずに何言ってるの?わかってるのかしら、もしあたしが今行きたくないって言ったらあなたは一人で行かなきゃならないのよ?それなのに勝手に決めちゃって……何様?ということで、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwじゃ中止の方向でwww」 朝倉「また一人で決めて……行くに決まってるじゃない♪」 キョン「(素直じゃないとこがまた朝倉らしいぜ…はぁはぁ)グフッ」 第2話 キョン「動きやすい格好、弁当、水筒、そしておやつは300円以内。天気も今日は快晴だと言っていたし、ハイキングには最適だな」 朝倉「おやつが気になるけど……とりあえず準備は万端ね」 キョン「ちなみに登る山の大きさは初心者レベル。道も歩きやすいようになっている。途中で険しい場所もあるようだが道案内を見れば大丈夫のようだ」 朝倉「じゃあ安心ね。行きましょうか♪」 キョン「山は雄大だな……」 朝倉「思わず自然のすばらしさを実感するわね」 キョン「ヤッホー!!」 朝倉「いきなり何!?」 キョン「すまん、自然に帰ったと思うとつい叫んでしまった」 朝倉「ふふ、まるで猿みたいね♪」 キョン「猿がうらやましいよ、自由に自然を生きられるんだからな」 朝倉「あら、人間以下のキョン君なら猿みたいな生活を送ってるんだと思ってたわ」 キョン「ヒドスww」 朝倉「そんなに自然と一緒になりたいならしてあげるわ。土に帰りなさい、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww自然回帰www」 朝倉「でも、キョン君なんて土も拒んじゃうわよね」 キョン「(将来は朝倉と一緒に土の中で…はぁはぁ)グフッ」 第3話 キョン「よし!あとちょっとだ」 朝倉「じゃあ一緒に♪」 キョン「せぇーの!」 キョン・朝倉「「とぉ~ちゃ~く!!」」 朝倉「ふぅ!ここが頂上ね。やっぱり高いわね」 キョン「下があんなに小さく見えるな」 朝倉「まるでゴミのようね」 キョン「そのセリフはww」 朝倉「じゃあ早速お昼にしましょうか」 キョン「大自然で食う飯は格別だろうな」 朝倉「今日は全部あたしの手作りよ♪」 キョン「すばらしい…生きてて良かった、うぅ」 朝倉「大げさなんだから。はい、どうぞ♪たくさん食べてね♪」 キョン「じゃあ、」 キョン・朝倉「「いただきま~す」」 キョン「うまい!こっちはどうだ?(パクッ)…うっ、のどに……つ、つまった…み、ず……」 朝倉「大丈夫!?はい、水筒よ」 キョン「(ゴクッゴクッ)熱ッッ!!そして、しょっぱ!!なんだこれ!?水じゃないのか?」 朝倉「え?おでんのつゆだけど?」 キョン「濃いだろ!」 朝倉「栄養満点でしょ?それにこの自然の中で飲む一杯は格別だと思って。もしかして嫌い?」 キョン「嫌いとかではなくだn」 朝倉「あらそう、あたしはそういうキョン君が不愉快ね。あなたのせいで山の景観が損なわれるわ、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww俺廃棄物www」 朝倉「ゴミくずね」 キョン「(野外で朝倉に蔑まれてる…はぁはぁ)グフッ」 第4話 キョン「うまい飯も食ったし…さて、そろそろ下りるか」 朝倉「きれいな景色も見れたしね♪」 キョン「霧か……」 朝倉「変ね、さっきまであんなに晴れてたのに」 キョン「山の天気は変わりやすいとは聞いていたがここまで変わるもんだとはな」 朝倉「慎重に行きましょ」 キョン「遭難したなんてことになったら洒落にならんからな」 ――――― 朝倉「ねぇ、こんなとこ通ったかしら……?」 キョン「確かに…さっきから看板も見えないしな」 朝倉「戻りましょうよ」 キョン「そうだな」 ――――― 朝倉「……」 キョン「……」 朝倉「あら?」 キョン「どうした?」 朝倉「ううん……その、気のせいだと思うんだけど…ここ、さっきも通らなかった?」 キョン「まさか。そんなわけないだろ」 朝倉「だってあの木さっき見たもの。あの形は忘れないわ」 キョン「そんなバカな」 朝倉「ねぇ、言いたくないけどまさかあたし達……」 キョン「……迷った?」 朝倉「……」 キョン「……」 朝倉「お、落ち着きましょう。あせっても何も良いことはないわ。冷静を保ちましょう。とりあえず、深呼吸して、スゥーハァー…平常心平常心……次にこれで、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww落ち着けwww」 朝倉「大丈夫。あたしはいつも冷静よ……こんなことじゃ動揺しないわ」 キョン「(朝倉と二人っきり…はぁはぁ)グフッ」 第5話 キョン「さてここからどう動くかが重要になる」 朝倉「(コクン)」 キョン「当然の事ながら携帯は繋がらない。発煙筒などの類ももちろんない。つまり俺たちには誰かにこの状況を伝える手段がない。よってこの状況を自分たちで打開するしかないということだ」 朝倉「でもやたらと動くのも危険じゃない?」 キョン「そのとおり。黙ってここでじっとしているのが一番いいのさ。辛抱強く助けを待っていようぜ」 朝倉「あたしたち助かるかしら」 キョン「当たり前だろ。必ず二人で生きて帰ろうぜ」 朝倉「そうね(キョン君が頼もしく見える……それにドキドキする、どうして?)」 キョン「朝倉、顔が赤いぞ。どうした?熱でもあるのか?」(ピタッ) 朝倉「ッ!?(ビクッ)」 キョン「わぁ!ス、スマン…急に触ったりしたら驚くよな…」 朝倉「あ…そんなんじゃなくて……」 キョン「?」 朝倉「ねぇ、、、キョン君の隣に座っていい?」 キョン「別にいいぞ?」 朝倉「……(ピトッ)」 キョン「!?…朝倉?ち、近くないか?腕なんかく、組んできたりして、どうしたんだよ?」 朝倉「こうしていたいの(ボソッ)」 キョン「そ、そうか。朝倉がそれで落ち着くなら…」 朝倉「(ドキドキがとまらない。どうしたのあたし。…あれ…?別の場所からもドキドキが聞こえる。どこかしら?……あっ、そうか、この音はキョン君のドキドキね。おかしいの。二人でドキドキしてるなんて。ふふ♪)ふふ♪」 キョン「笑ったりしてどうしたんだ?」 朝倉「なんでもないわ♪ふふ」 キョン「そうか……あ、すまん。俺トイレ」 朝倉「え?」 キョン「なんか冷えるから近くってなww」 朝倉「……」 キョン「ちょっとあっちの茂みでしてくるよ!小さいほうだから安心してくれwww」 朝倉「……(ゴゴゴゴゴ……)」 キョン「どうした?おい離してくれよ。行けないだろ?」 朝倉「行く必要なんかないわ……」 キョン「へ?」 朝倉「だって、あなたはここで死ぬんだもの……じゃ死んで♪」 キョン「ちょww漏れるwww」 朝倉「あなたの空気の壊しようには呆れるわ」 キョン「(なんで怒るんだ?ハッ!?もしかして朝倉もトイレに行きたかったのか。朝倉のトイレ…はぁはぁ)グフッ」 第6話 キョン「悪いな。急にトイレなんか行ってw」 朝倉「……」 キョン「怒るなよ。次は朝倉が行っていいからさw」 朝倉「?」 キョン「どうした?急にキョロキョロしたりして」 朝倉「何か聞こえない?」 キョン「何か?……いや」 朝倉「確かに今聞こえたわ。ガサガサって音がしたもの」 キョン「まさか救助が来たのか!?」 朝倉「だと良いんだけど」 (ガサガサ) キョン・朝倉「「!?」」 朝倉「今のは聞こえたでしょ?」 キョン「あぁ……音が近いな」 朝倉「人かしら?」 キョン「おぉ~い……救助の人ですか~?そうなら返事してくださ~い……」 (ガサガサ…ガサガサ……) 熊「グァアァアア!!!!」 キョン・朝倉「!!??ギャアアア!!!」 キョン「逃げるぞ!!」 朝倉「えぇ!」 キョン「走れ!!」 熊「グォォオォォ!!」 キョン「やばい!ついて来やがった!!」 朝倉「捕まったら食べられるわ!もっと早く走って!」 キョン「なんか武器はないのか!?」 朝倉「下手に威嚇したら余計危ないわ!」 キョン「しかs(ガンッ)…痛!?なんか当たった!ん?これは、、蜂の……巣?」 朝倉「早く捨てて!蜂まで追いかけて来るじゃない!」 キョン「もう遅いぜ……」 蜂「(ブゥーン……)」 朝倉「キャー!!なんてことしてくれたの!?」 キョン「そ、そんなこと言ったっt(ギュム)……今なんか踏んだ」 朝倉「また!?」 狼「ガルルルル……」 キョン「今度は狼ぃい!!!」 朝倉「なんで敵を増やすのよ!!」 キョン「不可抗力だ」 熊「グオォォ!!」 蜂「(ブゥーン…)) 狼「ガゥゥウ!!」 朝倉「あぁもうっ!こうなったのもキョン君のせいよ!?」 キョン「何ッ!俺のせいだぁ!?」 朝倉「そうよ!いつもいつもあたしに迷惑かけて!今回だってキョン君がハイキングに行くなんて言わなかったらこんなことにはならなかったわ!!」 キョン「自分だって行きたいって言ったじゃねぇか!」 朝倉「うっ……そ、それはそれよ!つまり元凶はキョン君!それさえ断てばすべてうまくいくの!!だから、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwあいつら無視www」 朝倉「なぁに?(キッ)」 熊「!?……キュ~ンキュ~ン…」 蜂「!?(ビューン!)」 狼「!?……キャインキャイン!!」 キョン「(一睨みで一目散に。さすが朝倉の目力だぜ。あぁあの目で睨まれたい…はぁはぁ)グフッ」 第7話 朝倉「走り回ったせいで今どこにいるかわからなくなったじゃない」 キョン「しかもさっきよりも暗いしな。さらに奥に来ちまったのかもしれん」 朝倉「もうあたしたち助からないのかしら……」 キョン「あきらめんなよ。必ず二人で助かるって言っただろ?」 朝倉「……えぇ」 キョン「元気出せよ。ほら、これでも食え」 朝倉「チョコ?」 キョン「はは、ちょっと溶けちまったがな。疲れたときには甘いものが一番だ」 朝倉「ありがと。(パクッ)……おいしいわ、キョン君」 キョン「そうか……ん?」 朝倉「どうしたの?」 キョン「いや、どこからかいい匂いが、(クンクン)」 朝倉「匂い?(クンクン)ハッ!?これはまさか!!(ダッ)」 キョン「おい!いきなり走り出したりしてどうしたんだよ!!」 朝倉「この匂いは…この匂いは……」 キョン「お~い!待ってくれ~」 朝倉「(ガサガサ)」 キョン「(ガサガサ)こんなとこ通って大丈夫か?」 朝倉「……」 キョン「やれやれ、ん?あれは光…まさか人のうちか!?」 朝倉「ふふふ、違うわ。あれは……」 キョン「あれは?」 朝倉「おでんの屋台よ!このあたしが言うんですもの、間違うわけがないわ」 キョン「その自信はどこから……なッ!?本当におでん屋だった!!」 朝倉「おじさん適当に見繕ってね♪」 キョン「なんというオチだろうか」 朝倉「ん~おいし♪」 ――――― キョン「俺たちは無事山を下りることができた。朝倉のおかげでな。だが出た場所は一つ隣の町だった。つまり必死で逃げ回ったせいで山一つ分を越えてしまったのだ。こうして俺たちのハイキングは終わった……俺と朝倉は危険を乗り越えることでまた一つお互いの愛を育んだのだ―――」 朝倉「勝手に何言ってるの?独り言なんて気持ち悪いったらないわ。だいたい愛とか言っちゃって恥ずかしいって言葉知らないのかしら?そんな恥知らずはこうしてあげる、 じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwおでん食って終わりとかwww」 朝倉「いい運動したあとはおいしいもの食べるに限るわね♪」 キョン「(俺たちの夏はまだ終わらない…はぁはぁ)グフッ」 ~夏休み・ハイキング編~完 おまけ 第8話 キョン「じゃあハイキングに行くか」 朝倉「そうね♪」 朝倉「……」 キョン「どうした?食わないのか?(パクパク)」 朝倉「ねぇ、これって?」 キョン「え?バイキングだが何か?」 朝倉「そんなベタなオチ期待してないの。こんなオチじゃ芸人になれないわよ? そんな無価値な人は処刑ね、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww俺の将来芸人www」 朝倉「あなたみたいな人が芸人になったら失礼よ」 キョン「(なんにしても将来は朝倉と二人で…はぁはぁ)グフッ」
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投稿日: 03/02/23 09 56 00439 能力名 今日から夏休み(resistance bleach.) タイプ 物品生成(念道具)・除念 能力系統 具現化系 系統比率 未記載 能力の説明 浄念作用のあるブリーチ剤を具現化して、除念する。 ★浄念効果は塗布して放置した時間に比例する。 ☆かけられた念が弱いものならば、数分で洗い流せる。 ☆脱色剤としても強力なので、30分程で白い金髪に、45分程ならシャンプー時に髪が溶ける状態になる。 ☆色の抜け具合と念の抜け具合は直接比例せず、どちらも時間のみと比例。 ★1回の使用で除念しきれなくても繰り返すことで薄めていける。 ☆皮膚への影響も強いので、次回の使用は2週間後以降が望ましい。 ★頭髪のない人へも浄念効果は及ぶが、かなりの肌荒れになる。 ☆においもけっこうツーンとくる。しかも数日は確実に微妙に残る。 ☆使用後のトリートメントや日頃からのケアを欠かさないようにしようね。 制約\誓約 - 備考 - レスポンス 類似能力 コメント すべてのコメントを見る 具現化系 物品生成(念道具) 除念
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163 名前:【SS】夏休みのノルマ 1/4[sage] 投稿日:2011/08/31(水) 19 16 20.23 ID w+DBVFUD0 [4/10] 京介「もう夏休みも終わりか。 なあ桐乃。おまえはもう夏休みの宿題終わったのか?」 桐乃「七月には終わらせたよ。 兄貴は?」 京介「俺は受験生だからな。 受験勉強が夏休みの宿題の代わりってことで、ほとんど出されなかったよ。 だからとっくのとうに終わってるぜ」 桐乃「そうなんだ」 京介「夏休み前に立てたノルマも大体達成できたしな」 桐乃「ノルマ? どんなの?」 京介「・・・・・・言わなきゃ駄目か?」 桐乃「聞きたい」 京介「俺のノルマはだな、 1.模試でB判定以上をとること。 2.桐乃と黒猫、沙織と一緒に夏コミに行くこと。 それと・・・・・・」 桐乃「それと?」 京介「・・・・・・桐乃と少しだけでも仲良くなることだ」 桐乃「・・・・・・シスコン」カァァァ 京介「うっせぇ。 そういうおまえはどうなんだよ」 桐乃「あ、あたし? ・・・・・・言わなきゃダメ?」 京介「俺は恥ずかしかったが言ったぞ」 桐乃「うっ。 ・・・・・・わかった。ちょっと待ってて」トタトタ バタン 京介「なんか取りに言ったのか?」 バタン 京介(なんかノートを持ってきたな) 桐乃「あたしはあんたと違って半分くらいしか達成できなかったんだけど・・・・・・」 京介「そうなのか? おまえなら立てた目標はなにが何でも達成しそうなもんなんだけどな」 桐乃「かなり難易度高めに設定したからね。 それでも達成したかったんだけど・・・・・・」 京介「頑張っても無理だったのか。 今日一日で達成するのはもう無理なのか? 俺でよかったら力になるぜ」 桐乃「あんたが協力してくれるなら、全部達成できると思うけど・・・・・・」 京介「そうか。なら今日中に済ませちまおうぜ。 そのノートにノルマが書かれてるんだろ? 見せてくれよ」 桐乃「・・・・・・見たい?」 京介「見なきゃ協力できないだろうが」 桐乃「そうなんだけど・・・・・・ 見ても後悔しない?笑わない?」 京介「笑うわけないだろうが。 後悔だってしない。 桐乃は俺の大切な妹だからな、どんな無茶なノルマでも全力を尽くしてやるぜ」 桐乃「そう・・・・・・ じゃあ、見てもいいよ」 京介「どれどれ」ペラ 166 名前:【SS】夏休みのノルマ 2/4[sage] 投稿日:2011/08/31(水) 19 16 51.76 ID w+DBVFUD0 [5/10] ○京介を名前で呼ぶ 京介に抱きしめてもらう ○京介をハグする 京介に耳かきしてもらう ○京介とデートする ○京介に助けてもらったお返しをする ○少しだけでも素直になる 京介に「あ~ん」してもらう 京介と添い寝する 京介「・・・・・・」 桐乃「・・・・・・」ドキドキ 京介「・・・・・・なあ桐乃」 桐乃「なに!?」ドキドキ 京介「なんか九月のイベントにすでに丸がついてるんだが」 桐乃「気にしないで。Twitterと同じでパラレルだから」 京介「そうなのか。 じゃあ、こっちが本命なんだが― おまえ、俺のこと好きだったの?」 桐乃「そういうわけじゃないから!」 京介「じゃ、じゃあどういうわけなんだよ」 桐乃「あたしたちさ、この間まで仲悪かったじゃん? だからさ、あんたと同じであたしも京介と仲良くなろうと思ったの!」 京介「そうなのか・・・・・・ でもこれはやりすぎじゃないか?」 桐乃「せなちーとか、クラスの子に仲のいい兄妹ってなにするのか聞いてみたの。 その話から、これ位すればあたしたちも前みたいに仲良くなれるかなーって」 桐乃(本当は『どれくらいしちゃったらブラコンなのかな?』の答えなんだけど) 京介「そうなのか・・・・・・ 世の中の兄妹ってのは、俺が思っている以上に仲良しなんだな。 なら、これを全部やらなくちゃ俺も『桐乃と仲良くなる』ノルマを達成したとは言えないわけだ。 よし!やるか! 桐乃、こっち来い!」 桐乃「・・・・・・!」ビク 桐乃「・・・・・・」コクリ スタスタ 京介「まずは桐乃を抱きしめるぞ。 いいんだよな?」 桐乃「・・・・・・」コクリ 桐乃「恥ずかしいから、後ろから抱いて・・・・・・」カァァァァ 京介「そ、そうか。 じゃあ、いくぞ」 ぎゅぅぅぅぅぅ 桐乃「ちょっと、強いよ・・・・・・」 京介「悪い。もっと優しくしたほうがいいよな」 桐乃「・・・・・・京介がしたいなら、もっと強くてもいいよ。 あんたに力いっぱい抱きしめられるの、嫌いじゃないみたいだし」カァァァ 京介「そうか。嫌だったり、痛かったりしたら言ってくれよ」カァァァ 桐乃「うん・・・・・・」 京介「・・・・・・」 桐乃「・・・・・・」 167 名前:【SS】夏休みのノルマ 3/4[sage] 投稿日:2011/08/31(水) 19 17 20.89 ID w+DBVFUD0 [6/10] ・・・・・・ 一時間後 ・・・・・・ 京介「・・・・・・」 桐乃「・・・・・・ねえ、そろそろ」 京介「そ、そうだな」 桐乃「うん、じゃあ次は」 京介「次は前からだな」 桐乃「え!?」 京介「あれ?違ったか?」 桐乃「ううん!違わない!」 京介「じゃあ、前から失礼して・・・・・・」 ぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ 桐乃「~~~~!!!!!」 ぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ 桐乃(京介、顔が近いよ・・・・・・) ぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ 京介(桐乃も俺の背中に手を回してきた・・・・・・ なんか、気持ちいいな) ぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 京介「つ、次で終わりか・・・・・・」ハァハァ… 桐乃「う、うん」ハァハァ… 京介「親父もお袋もいなくて助かったな」 桐乃「そうだね。 お父さんたちの前で『あ~ん』なんてできないもんね」 京介「おまえの思いつきの『二本のストローでジュースを飲む』もな」 桐乃(気をつけたけど、あたしの唾液とかジュースに混じらなかったよね?) 京介(あのジュース、桐乃の味がした気がしたが、気のせいだよな) 桐乃「あんたなんかあたしの唇についたご飯粒食べちゃうし」 京介「お、おまえだって汚れた俺の指をたっぷり舐めてたじゃねえか!」カァァァァ 桐乃「~~~~!」カァァァァ 京介「・・・・・・これ以上の言い合いはお互い恥ずかしくなるだけだ。止めとこうぜ」 桐乃「そうだね。 仲良し兄妹なら口移しで食べたりするらしいけど、それは今度の目標だね」 京介「マジかよ・・・・・・パネェな、仲良し兄妹」 桐乃(さすがに嘘だって気づいたかな?) 京介(兄妹ってすごいところまで許されるんだな。 兄妹なんだし、口移しって言っても咥えて渡すだけじゃないよな。 相手が食べやすいようにちゃんと良く噛んだのを渡すんだよな。 果たして、俺は正気でいられるのか?) 桐乃「耳かきは気持ちよかったよ」 桐乃(京介のふとももの上だと、京介のにおいがいつもより強かったな。 どうせなら、寝返りうって京介のほうを向けばよかったかな?) 京介「おまえの耳かきも気持ちよかったぜ。 初めは奥に突き刺されないか心配だったけどな」 京介(そして何より、桐乃のふとももの感触が素晴らしかった・・・・・・ あのまま寝たらどんな夢を見たんだろうな) 168 名前:【SS】夏休みのノルマ 4/4[sage] 投稿日:2011/08/31(水) 19 17 42.98 ID w+DBVFUD0 [7/10] 桐乃「ノルマはあと一つだね。 ・・・・・・する?」 京介「確か添い寝だったな。 今の俺ならそれ位楽勝だぜ!」 桐乃「添い寝?何のこと?」 京介「いや、確かに添い寝って書いてあったぞ」 桐乃「・・・・・・」スッ 京介とにギュッと抱きしめてもらいながら寝る 京介「書き換わってる!?」 桐乃「なんのこと?」 京介「とぼけても無駄だぞ! 消して書き直したあとが残ってるじゃねえか!」 桐乃「ちっ。気づいたか。 ・・・・・・京介はダメだと思うかな?」 京介「さすがに不味いんじゃねえか?」 桐乃「抱き合うのも、添い寝するのもOKなんだから、 抱き合いながら寝るのもOKじゃない?」 京介「・・・・・・なんかそう言われるとそういう気がしてきたな」 桐乃「京介はあたしを抱いて寝るの、イヤ?」 京介(なんて表情するんだよ・・・・・・ そんな顔されると断れねえじゃねえか) 京介「・・・・・・今日のおまえ、すごい素直に甘えてくるな」 桐乃「・・・・・・今日で夏休み終わりじゃん? 明日からは学校が始まるし、そうなればあんたと一緒にいられる時間も減っちゃうからさ。 だから、今日だけ特別」 京介「・・・・・・そうか。よし!一緒にねるか!」 桐乃「うん!」 もぞもぞ 京介「おい桐乃、寝ぼけてヘンなところ触っても殴るなよ」 桐乃「殴らないって。 どうせあんたは寝相が悪いだろうし、それくらい覚悟してるよ。 あたしは抱き枕抱いて寝るときは起きても抱きついたままだし、あんたを蹴っちゃう事はないと思うよ」 京介(ってことは、朝まで抱きつかれっぱなしか。 隙を見て離れることもできねえな) 京介「桐乃」 桐乃「なに?」 京介「おやすみな」ギュッ 桐乃「うん。おやすみ」ギュッ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 桐乃「あんた、いつまで寝る気なの?もう朝だよ」 京介「んん・・・・・・朝か」 京介(明け方まで眠れないかと思ったが、逆にぐっすり眠れたな) 桐乃「早く着替えないと学校に遅れるよ」 京介「そうか。起こしてくれてありがとうな」 桐乃「どういたしまして。 あたしもあんたのおかげで『十個』のノルマが達成できたから、これでおあいこね」 京介(あれ?ノルマって十個だったっけ?まあ、俺の記憶違いだろ) 桐乃「京介」 京介「なんだ?」 桐乃「おはよう!今日からまたよろしくね!」 京介「ああ、おはよう。これからも仲良くやろうな」 171 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/31(水) 19 22 50.03 ID i/KNCz9P0 [3/5] 163 165-168 素晴らしかった!素直な兄妹がもうたまりませんな!w 夏休み最後だからってここまでバカップル化できるなら、これからは 「1週間の最後だから」とか「1日の最後だから」とか言ってもっとイチャラブしてくれ!w 途中挟んでしまって申し訳なかった 173 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/31(水) 19 42 46.61 ID w+DBVFUD0 [8/10] 171 こんな感じか。 京介(次にあんな素直な桐乃を見るのは来年の夏休みか、それとも冬休みの終わりか・・・・・・ 随分と長く感じるぜ) コンコン 京介「なんだ?」 ガチャ 桐乃「・・・・・・」 京介「どうかしたのか?」 桐乃「・・・・・・もう今日が終わるじゃん? 明日も学校だし、そうなると明日の学校が終わるまで一緒にいられないじゃん。 だから・・・・・・」 京介「・・・・・・そうか。 よし!一緒にねるか!」 桐乃「うん!」 -------------
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当ページ下に放り込みログあり(添付ファイル) 2ちゃんねる / 2ch:新・放り込みスレ .
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姪と一泊旅行へ 2008年8月23日 (土) 2008/08/23 00 28 Canon EOS Kiss Digital 姪と一泊旅行。ベビーピンクはローズドラジェという限定色。 優しいピンク色が女の子らしく可愛いのでお気に入り。 バッグの下のマットは、ユミリー(直居由美里)先生の開運マット。 今回は一泊なのでトランクではなくボストンバッグを。 これはもう10年以上、と言うより20年近く前に母がアメリカ~カナダ旅行に行った時に、 あちらでお買い物をした品々を入れるために買って日本に持ち帰った クレージュのボストンバッグ。 真っ赤な色も珍しく、シンプルで大きく使いやすくお洗濯が楽なので、 30過ぎた今でも10代の頃に使っていたボストンバッグを愛用。 愛犬が高齢となり、 男の子(と言っても年齢的にはおじいちゃん)は心臓と気管に持病があり、 女の子(こちらも同じ年齢のおばあちゃん)は視力がかなり低下し、 嗅覚と聴覚を一生懸命働かせてで生きているということがわかりました。 こんな老犬二頭ではペットホテルや病院に預けることも大変で、 お留守番が難しくなり、これからは旅行も難しくなりそう、ということで、 姪の幼稚園が夏休みのうちに一泊旅行に。 一泊ですから慌ただしいでしょうが、 友人の家族と一緒に写真撮って温泉入って花火見てバーベキューして。 楽しい週末になりそう♪ 普通の日記 かなえキッチン : ごはん日記 2008年08月